奥手な二人の両片思い
◇
のほほんと過ごしていた5月下旬のある日。
お風呂上がりのことだった。
【良かったら夏休みに一緒に遊びに行かない?】
スマホ画面に映っている上川くんからのメッセージを凝視する。
「こ、これって……デ、デート⁉」
違う違う! 何考えてるの私!
上川くん、友達いっぱいいるんだよ?
私もその中の一人にすぎないって!
【俺はゆっくりできる場所ならどこでもいいよ! 綿原さんはどこに行きたい?】
ゆっくりできる場所……それなら。
【動物園か水族館かショッピングモールかな?】
【それなら水族館にしようよ!】
返信すると、すぐ返事がきた。
オッケーと入力して送信ボタンを押そうとしたのだけど……直前で、ふと公園での出来事を思い出した。
そういえば上川くん、アヒルとカモを間違えてたよね。
どっちも同じ種類だけど、違い知ってなさそうだったし。
だとしたら、海の生き物なんて全然知らないかもしれない。
「どうしよう……」
他の場所にしたほうがいいかな。
でもせっかくオッケーしてくれたし……。
結局その日には返信せず、翌日学校に着いてから返信した。
けど……やっぱりどうしても気になって、昼休みに清花を中庭に呼び出し、彼の様子を聞いてみることに。
「大丈夫だよ。怜也くん今日すごく嬉しそうだったから」
「そう? それなら良かった」
優しく励まされ、ちょっと安心した。
今朝、委員会で早めに登校したから顔合わせてなかったんだよね。
のほほんと過ごしていた5月下旬のある日。
お風呂上がりのことだった。
【良かったら夏休みに一緒に遊びに行かない?】
スマホ画面に映っている上川くんからのメッセージを凝視する。
「こ、これって……デ、デート⁉」
違う違う! 何考えてるの私!
上川くん、友達いっぱいいるんだよ?
私もその中の一人にすぎないって!
【俺はゆっくりできる場所ならどこでもいいよ! 綿原さんはどこに行きたい?】
ゆっくりできる場所……それなら。
【動物園か水族館かショッピングモールかな?】
【それなら水族館にしようよ!】
返信すると、すぐ返事がきた。
オッケーと入力して送信ボタンを押そうとしたのだけど……直前で、ふと公園での出来事を思い出した。
そういえば上川くん、アヒルとカモを間違えてたよね。
どっちも同じ種類だけど、違い知ってなさそうだったし。
だとしたら、海の生き物なんて全然知らないかもしれない。
「どうしよう……」
他の場所にしたほうがいいかな。
でもせっかくオッケーしてくれたし……。
結局その日には返信せず、翌日学校に着いてから返信した。
けど……やっぱりどうしても気になって、昼休みに清花を中庭に呼び出し、彼の様子を聞いてみることに。
「大丈夫だよ。怜也くん今日すごく嬉しそうだったから」
「そう? それなら良かった」
優しく励まされ、ちょっと安心した。
今朝、委員会で早めに登校したから顔合わせてなかったんだよね。