奥手な二人の両片思い
近くで見ると、小動物の擬人化ってくらい可愛い。

清花があんなにデレた顔になるのもわかるかも。



「あ、あの……?」

「本当モルモットみたい! 可愛いね!」

「えっ……⁉」



あっ、口に出ちゃった。

ちょっと警戒してる……でも、そういうところもモルモットそっくり!


ジュースを持って彼を清花のところに連れていくと、二人共びっくりした様子で話している。

どうやら黒瀬くんも一緒に来ているらしい。



「……それより、モルモットって何ですか」

「綺麗な毛並みとつぶらな瞳が似てるなぁ~って!」



水沢くんに尋ねられ、警戒心を解こうと笑顔で返答したけれど、ますます顔が険しくなってしまった。

「清花の友達なら仲良くなれるかも!」と思い、その後もめげずに話しかけるも……。

完全に要注意人物認定されたっぽい。


でも、これから挽回すればいいよね!



「まさか、モルモットくんって言うとは思わなかったよ」

「えっ、似てない?」

「私はうさぎに似てると思ってた。まぁ、どっちも可愛いけどね」

「確かに! ふさふさしてるよね~。おめめきゅるるんだし!」



苦笑いしている清花をよそに、料理を食べながら思考を巡らせる。

うさぎ、モルモット、水沢くん……確かに似てるかも!
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