奥手な二人の両片思い
昼食後。



「ねぇ! モルモットくんのこと好きでしょ?」

「うん……1人の人間としてね」

「え~? 恋愛としての好きじゃなくて?」



ショッピングモール内を歩きながら質問しまくる。

「人間として」って言ってるけど、ちょっと照れてるから、これは絶対「恋愛としての好き」だよね!



「も~! 素直になりなよ~!」

「そういう菫は? 怜也くんのことどう思ってるの?」

「えっ……!」



ニヤついた顔を浮かべる清花に言葉が詰まる。



「今日はデートに着ていく服を見に来たんでしょ?」

「ちょっと、その顔やめてよ……」

「あれれ? 顔がほんのり赤いよ? 菫ちゃん?」



顔が熱くなってそっぽを向く。

からかってたら仕返しされたぁ。
もう、清花ってばドSなんだから……!


服屋さんに入ると、花柄のワンピースを着ているマネキンが目に入ってきて、思わず足を止めた。



「ちょっと短いな……」



色違いのワンピースを当ててみるも、丈が短い。


私の身長は、男子の平均身長とほぼ同じな上、肩幅が広くて骨太。

だから、薄着やピタッとした服だとガタイの良さが目立っちゃう。


太ると余計強そうに見えちゃうから、定期的に運動して維持しているけれど、痩せても骨格は変わらないよね。



「今年の夏も、Tシャツに短パンを穿くしかないのかなぁ……」
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