奥手な二人の両片思い
母親が用意してくれたそうめんを口に運ぶ。


昨日、机で勉強してたはずだよな。
なのに、なんで床で寝てたんだろう。

……ダメだ、全然覚えてねぇ。



「はぁぁぁもう……!」



徹夜しすぎて頭おかしくなったのかな……。

昨夜の記憶はないのに、夢でクラゲとキクラゲ食ってたのは覚えてる。

なんでどうでもいいことは覚えてるんだよぉぉ。



「チッ……だっる……」



頭を抱えていると、機嫌が悪そうな姉がドカッと目の前に座った。



「……あんなブスのどこがいいのよ」



溜め息と同時に、ボソッと独り言が呟かれた。

また男絡みかな。
相変わらず口悪いけど、ツッコむ気力も出てこねぇ。

とりあえず、顔と頭と体を元に戻すためにも、今日は勉強するのはやめておこう。



デート前日の夜。
念入りに明日の準備をする。

よし! 持ち物と服の準備もオッケー!

いつもはスマホのアラームで起きるけど、万が一のこともあるから、目覚まし時計もセット。



「最後に復習するか!」



ノートをパラッとめくる。

汚れてしまった部分は切り取ったものの、写真に撮っておいたため、なんとか書き直さずに済んだ。

明日成功しますように!

30分程復習し、成功するよう祈りながら早めに眠りに就いた。
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