奥手な二人の両片思い
放課後。
相談したいことがあるとお願いし、一緒に帰ることに。



「俺、熟語が苦手でさ。この前の期末で全然解けなくて平均点ギリギリだったんだよ」

「え! 大丈夫だったの⁉」

「赤点は免れたけど、先生から読書勧められて。
俺全然本読まないから、何読んだらいいかわかんなくて」

「いっぱい種類あるもんね~」



落ち込んでいた理由を話し、心配を消したところで本題に入る。



「それで、教養系の漫画を勧められたんだけど、どんなのがあるか知ってる?」

「あ~、そういう漫画ならいっぱい家にあるよ」

「マジ⁉ どんなのがある⁉」



綿原さんのことだから、動物の生態系とか進化についての本だろうな。

あとは人間の体とか……。



「えーっと……サバイバル系の本だったかな」



サ、サバイバル系⁉
それって、無人島で生活するみたいなやつだよな⁉

予想の斜め上すぎた……。



「そうなんだ……てっきり動物系の本かと……」

「アハハ! 動物の本もあるよ! お父さんが趣味で集めてるの」



なんだ、ビックリした。
てっきり綿原さんが読んでるのかと思ったよ。



「貸そうか? 一緒に読むって言ったら多分大丈夫だと思う」

「いいの⁉ ありがとう!」

「あとでどんなやつがあるか連絡するね」

「わかった!」



うおぉぉぉ! まさかこんなトントン拍子に話が進むとは! 楽しみ~!
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