奥手な二人の両片思い
帰宅し、母に学校で仮装することを伝え、化粧品を借りた。



「えーっとまずは、化粧下地を塗る」



部屋に戻り、スマホで初心者用メイクの記事を見ながら化粧下地を顔に塗っていく。

……あれ? なんか顔色悪くなった?
……まぁいいや。



「次はコンシーラー……はないから、ファンデーション。これかな?」



へぇ、リキッドファンデっていうんだ。
ファンデーションっていっぱい種類あるんだなぁ。



「ひゃーー! 出しすぎたーー! どうしよう! 垂れてきてる! ティッシュティッシュ……!」



ワンプッシュで意外と多く出てきたので、慌ててティッシュで拭き取った。

メイクってこんなに大変なんだ……。
毎日毎日……女の人ってすごいなぁ。


ファンデーションを指に取り、顔に塗っていく。

あれ~? また顔色悪くなってない?
もしかして色が合ってないのかな?



「もういいや! 塗っちゃったし! 次は眉毛眉毛!」



次に取り出したのはアイブロウパウダー。

ふむ、眉毛は濃くなりすぎないようにするのか。
でも後から濃くするし、先にしっかり描いとこっと!


濃い色を取って、眉毛全体に乗せた。



「よ~し! 次はアイメイク!」



こっちも濃くなりすぎないようにするのか。
でも、結局濃くするし、たっぷり塗っちゃお!

スマホを片手に鏡とにらめっこしながら、次々と顔に化粧品を塗っていく。
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