奥手な二人の両片思い
なんて優しいの……。
夏穂ちゃんが前言ってたように、紳士味がある。
駅まで自転車通学なんだけど、遅くなった時は、毎回家の近くまで送ってくれるんだよね。
もしかしたら上川くんは、ヒーローと紳士のハーフなのかもしれない。
かっこよすぎるよ……!
電車に乗り、空いている席に着席。
上川くんのクラスは喫茶店をするとのこと。
一緒に回りたかったけど、シフトの時間が合わなかったため、お互いの店に行くことを約束をした。
教室でするみたいだから、接客してもらえたらいいな。
「あ、そうそう。隼のクラスは女装コンテストするんだって」
「ええっ⁉ 女装⁉」
「うん。男子校の時もあったらしいんだけど、女装が過激で禁止になったんだって」
過激な女装……確かに男子だけだと暴走しそう。
「じゃあ今年から解禁したんだね」
「らしいね。共学になって男子達も落ち着いてきたからかな?」
「あぁ〜、女子達に慣れてきたからとか?」
コンテストについて教えてもらうと、残念ながら、店番の時間と被っていたため、観覧はできず。
どんな人が出るんだろう。可愛い系の人とかかな?
「それでね、今日隼に話したんだけど、俺出ようと思ってるんだ」
……え? 出ようって、ええっ⁉
「えええ⁉ 上川くん出るの⁉」
「うん! まだエントリーは始まってないんだけど、昼休みに一足先に言ってきた!」
まさかの出場予約……!
これが幼なじみの特権なの⁉