奥手な二人の両片思い
「ただいま」
「おかえり~って……綿原さん大丈夫⁉」
彼女と一緒に教室に戻ると、お弁当を食べている上川くんが慌てた様子で話しかけてきた。
「何かあったの?」
「あー……」
チラリと私の顔を見た青石さんと目が合い、咄嗟に俯く。
私、そんなに顔に出てた……?
「なんでもないの。じゃあね」
食事中に余計な心配をかけたくない。
素っ気なく答えて自分の席に戻った。
◇
「綿原さん、途中まで一緒に帰ろう?」
「う……うん」
学校が終わって教室を出ようとしていたら、ドアの近くにいた青石さんに声をかけられた。
突然のことで驚いたけど、断る理由もなかったので承諾。一緒に昇降口へ向かう。
「今日は助けてくれてありがとう」
「いえいえ。本当無事で良かった」
わわわ、女の子と帰るなんていつぶりだろう。
出席番号最初の彼女と、最後の私。
席が角同士で1番離れているのもあって、友人の友人なのにも関わらず、ほとんど交流がなかった。
緊張のあまりカタコトなってしまっているけれど、彼女は気にせず話し続けている。
まだ女子への恐怖心が消えたわけじゃないけれど……青石さんになら話せるかな。
「あの……私、昔からなぜか男性に絡まれることが多くて。ずっと悩んできたの……」
ドキドキする心臓を落ち着かせて、意を決して打ち明けた。
「おかえり~って……綿原さん大丈夫⁉」
彼女と一緒に教室に戻ると、お弁当を食べている上川くんが慌てた様子で話しかけてきた。
「何かあったの?」
「あー……」
チラリと私の顔を見た青石さんと目が合い、咄嗟に俯く。
私、そんなに顔に出てた……?
「なんでもないの。じゃあね」
食事中に余計な心配をかけたくない。
素っ気なく答えて自分の席に戻った。
◇
「綿原さん、途中まで一緒に帰ろう?」
「う……うん」
学校が終わって教室を出ようとしていたら、ドアの近くにいた青石さんに声をかけられた。
突然のことで驚いたけど、断る理由もなかったので承諾。一緒に昇降口へ向かう。
「今日は助けてくれてありがとう」
「いえいえ。本当無事で良かった」
わわわ、女の子と帰るなんていつぶりだろう。
出席番号最初の彼女と、最後の私。
席が角同士で1番離れているのもあって、友人の友人なのにも関わらず、ほとんど交流がなかった。
緊張のあまりカタコトなってしまっているけれど、彼女は気にせず話し続けている。
まだ女子への恐怖心が消えたわけじゃないけれど……青石さんになら話せるかな。
「あの……私、昔からなぜか男性に絡まれることが多くて。ずっと悩んできたの……」
ドキドキする心臓を落ち着かせて、意を決して打ち明けた。