奥手な二人の両片思い
クリスマスツリーマンの決心
怜也side



期末テストが終わり、冬休みが近づいてきた、12月半ばのある日。



「どれにしようかな……」



休日の昼下がり、ベッドの上に緑系の服を並べて、ひたすら鏡の前で当てる。


実は文化祭が終わった後、隼の家でクリスマスパーティーをすることになったんだ。

他のメンバーは、清花ちゃんと水沢くん、そして綿原さん。


傍から見たら、一人ファッションショーをしているようにも思えるけれど、これでも真剣に悩んでいる。



「これは季節感がないよなぁ……」



薄手のTシャツを1度手に取り、戻す。

というのも、男子はクリスマスをイメージした服で行かない? と提案したんだ。

しかし……。



「なんでクリスマスツリーなんて言ったんだろう……」



じゃんけんに負け、2人がサンタとトナカイを選んだため、クリスマスツリーを選ぶ羽目に。

自分で提案したくせに後悔するなんて……。


交換用のプレゼントと持っていく料理は決まったのに、服だけがまだ決まらない。


色の本読んだのに、どうしてこういう時に発揮できないんだよぉ。

普通に出かける時はバリバリ活かせてるのにぃ。


どうしよう。服に鈴を付けまくるか?

いっそのこと、オーナメントかライトを買って付けるか?


いや、隼の家まで電車で行くんだから、派手だと周りがビックリするよな……。



「……一旦休憩するか」
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