奥手な二人の両片思い
小腹が空いたので、気分転換も兼ねて間食を取ることに。



「いただきまーす」



キッチンに向かい、お菓子が入っている引き出しから、個装されたチョコレートを何個か取り、一気に口の中へ。

うんめぇ〜。やっぱりチョコサイコー!



「あ、まだそれ残ってる?」

「……ん!」



頬張ったまま、みゆ姉に個装されたチョコが入った袋を渡した。


そういや、みゆ姉はクリスマスは誰と過ごすんだろう。去年は彼氏とデートしてたよな。

でも別れたって言ってたし、今年こそはクリぼっちかな?

お父さんに叱られて、だいぶ男遊び減ってるかもしれないし。



「今年のクリスマスは家でおとなしく過ごすの?」



袋に残っているチョコを全部食べている姉に尋ねてみた。



「いや、友達とパーティーするけど」

「……えっ?」



とっ、友達? えっ、俺の聞き間違え?

あの男好きのみゆ姉に友達がいたのか……⁉



「なにその反応。私に友達がいないとでも思ってたわけ?」

「いや……あっ、もしかして男友達と?」

「いや、女友達と」



えええええ⁉ お、お、女友達……⁉



「いたの⁉」

「いるよ! 失礼な!」



大声で聞き返すと、キレたように返答。

嘘だろ⁉ 同性の評判が悪いタイプなのに⁉



「みゆ姉って同性に嫌われやすいタイプだよな? 
それ、本当に友達……?」

「……お前、シバかれたいのか?」



ギロリと殺し屋のような目つき。

本能が身の危険を察知したので、逃げるように自分の部屋に戻った。
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