奥手な二人の両片思い
料理を平らげた後、ケーキを食べて、いよいよプレゼント交換へ。


俺が当たったのは、清花ちゃんの膝掛けと腹巻きセット。

綿原さんは隼のモコモコの靴下とスリッパ。
清花ちゃんは水沢くんのブランケット。

水沢くんは綿原さんのモコモコの白パーカー。

そして隼には、俺のストールが当たった。


プレゼント交換が終わり、みんなと写真を撮っていると、清花ちゃんからの視線を感じた。



「ずっとスルーしてたけどさ……もしかしてそれって、みんなで食べる用のお菓子?」

「うん! さ、どうぞどうぞ! 好きなだけ取って!」

「えっ、じゃあ……」



困惑した表情で、腕についているお菓子を取る清花ちゃん。

両面テープだとすぐ取れそうだったので、安全ピンを使って1つずつシャツに付けたのだ。



「みんなもおいでよ! お菓子なくなっちゃうよ!」



苦笑いしている他の3人も呼び、お菓子を取ってもらう。



「あ~、スッキリした! みんなありがとう!」

「お菓子がなくなると一気に地味になったな」

「木っぽさを出すために暗い色を着てきたからね~」



装飾がなくなって裸のツリー状態に。

ひっついていたお菓子を食べている隼に説明していると。



「怜也くん、顔華やかだから服が地味でもそんなに変わんないね」

「むしろ派手な服だと主張が強すぎますよね」



お菓子を食べながら頷き合う清花ちゃんと水沢くん。

インパクトがある顔なのは自覚しているけれど……。
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