奥手な二人の両片思い
「むしろ俺のほうが部屋散らかってるし。クローゼットの中なんて、もはやジャングルだよ」
「へぇ~。黒瀬くんのほうがだらしなかったとは……人って見かけによらないね~」
何よりショックなのは、綿原さんも勘違いしていたということ。
「綿原さん……俺、意外と几帳面なとこあるんだよ……?」
「あわわ……ごめんね上川くん!」
慌てて謝る彼女と軽く落ち込む俺を見て、隼達は爆笑したのだった。
◇
「じゃあまたなー」
「「バイバ~イ!」」
夕方5時過ぎ。外が暗くなってきたのもあり、一足先においとますることに。
「今日は色々あって楽しかったね~」
「そうだね。あ、さっき動画撮ってたよね? 見せて?」
「いいよ~」
撮った動画を見せてもらった。
……ダメだ、これは笑いを抑えきれない。
「その動画……清花ちゃん達に送るの?」
「うーん、あの2人が付き合ったら送ろうかな」
「やっぱり綿原さんもそう思う? あの2人、絶対両思いだよね」
自分のことを棚に上げて、「早くくっついてくれないかな」と口にした。
隼も清花ちゃんも、俺が綿原さんを好きだと知っている。
2人だって「早く告れよ」って思ってるかもしれない。
でも、告白して関係が気まずくなったら……怖くて言い出せない。
臆病な自分に腹が立つ。
このまま気持ちを伝えずに、もし綿原さんが誰かに取られたら、絶対後悔するのは目に見えているのに。
「へぇ~。黒瀬くんのほうがだらしなかったとは……人って見かけによらないね~」
何よりショックなのは、綿原さんも勘違いしていたということ。
「綿原さん……俺、意外と几帳面なとこあるんだよ……?」
「あわわ……ごめんね上川くん!」
慌てて謝る彼女と軽く落ち込む俺を見て、隼達は爆笑したのだった。
◇
「じゃあまたなー」
「「バイバ~イ!」」
夕方5時過ぎ。外が暗くなってきたのもあり、一足先においとますることに。
「今日は色々あって楽しかったね~」
「そうだね。あ、さっき動画撮ってたよね? 見せて?」
「いいよ~」
撮った動画を見せてもらった。
……ダメだ、これは笑いを抑えきれない。
「その動画……清花ちゃん達に送るの?」
「うーん、あの2人が付き合ったら送ろうかな」
「やっぱり綿原さんもそう思う? あの2人、絶対両思いだよね」
自分のことを棚に上げて、「早くくっついてくれないかな」と口にした。
隼も清花ちゃんも、俺が綿原さんを好きだと知っている。
2人だって「早く告れよ」って思ってるかもしれない。
でも、告白して関係が気まずくなったら……怖くて言い出せない。
臆病な自分に腹が立つ。
このまま気持ちを伝えずに、もし綿原さんが誰かに取られたら、絶対後悔するのは目に見えているのに。