きみじゃなくてもいい
かぞくの成分が違っても、私たちは一緒にいて。偶然を悩んで、きみは必ず無理をして、私はきっと身勝手にきみは守ろうとして。
出会えていたね、書類上じゃなくても。
星が霞む。
「あいしてる」
こんなことばで奥底は補填できない。埋まらない海溝。でも聞いて。離さないで。手を伸ばした、抱きしめた。
「光輝が、いい、の。光輝がいい」
そばにいるのは、きみがいい。
守るのは、きみがいい。
涙を掬ってあげる相手は、きみがいい。
愛を伝えるのは、きみがいい。
「あいして、」
「うん、」
夜がきらい。きみの背も。私を拒否するそのぜんぶも。
だけどきっと、黒く澄んだその瞳を。
「あいしてる、雨衣」
私は守りたいって、思い続けている。