魔法に囚われて〜誘拐されて溺愛されてます〜 II
ついに迎えたパーティー当日の日にジュエルは胸を押さえる。パーティーが始まるのは夜からだが、ジュエルは朝起きた瞬間から緊張してしまっていた。

「そんなに緊張することないよ?」

ジュエルの頭にそっと手を置き、ユーゴが笑いながら言う。使用人たちも「そうですよ。ジュエル様はたくさん練習されておりましたし、不安になることはありません」と頷く。

「失敗しないといいのですが……」

ジュエルは俯いてしまう。パーティーに招待されているほとんどはお金持ちのご子息やご令嬢というジュエルとは永遠に関わることのなかったはずの世界の人たちだ。そんな人とうまく話せるのか、ダンスだけでなくそこも不安になってしまう。

「ジュエル、そんな顔しないで?せっかくの綺麗な顔が台無しだよ?」

ジュエルの顔が優しく持ち上げられ、ユーゴの顔が近づく。その刹那、二人の唇が優しく重なった。キスは何度も優しい雨のようにジュエルに降り注いでいく。

「ユーゴ様……」
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