魔法に囚われて〜誘拐されて溺愛されてます〜 II

ジュエルとレンはあっという間に着替えさせられ、ジュエルはメイクをされて髪飾りなどもつけられた。

「ママ、可愛い」

赤い蝶ネクタイを結んだブラウンのジャケットを着て、ニコニコ笑っている。使用人たちも「やっぱりジュエル様は何を着てもお似合いですね」と微笑んでいた。

ジュエルは自身の瞳と同じ紫のドレスを着せられていた。Aラインの可愛らしいデザインとなっている。

「ありがとうございます」

ジュエルはお礼を言い、レンも「ありがとう！」とジュエルの真似をして使用人たちに言う。そして二人はマカロンを手にユーゴが仕事をする部屋へと向かったのだ。

扉をノックしてジュエルが入ると、ちょうど休憩をしていたユーゴは驚いた顔をしていた。レンがユーゴのもとへと走り、「これどうぞ！」と作ったマカロンを差し出す。

「レンと二人で作りました。よければ食べてください」

ジュエルはそう言って微笑む。ユーゴは頬を赤く染め、「ありがとう」とレンの頭を撫でながら嬉しそうなレンとジュエルを交互に見つめる。そしてジュエルに手招きをした。