魔法に囚われて〜誘拐されて溺愛されてます〜 II
レンは何かを察した使用人が「行きましょう」と声をかけて連れて行く。部屋にはユーゴとジュエルしかいない。

「ジュエル」

「ユーゴ様……んっ!」

ユーゴに顎を持ち上げられ、ジュエルの胸がキュンと音が立てる。ユーゴに何度もキスをされていた。

「仕事中にこういうことをされるとずっと君のことしか考えられなくなりそう……」

ジュエルはユーゴにそう囁かれ、部屋に置かれたソファに優しく押し倒される。そしてまたキスの雨が降り出した。

そのうち、キスは唇だけでなく首元や胸元にも落とされていく。チクリと何度か痛みが走り、ジュエルは「ユーゴ様」と言いながらキスを続けるユーゴの首に腕を回した。

「ダメ。理性が飛んじゃいそう」

顔を上げたユーゴは困ったように笑い、ジュエルを抱き締める。ジュエルはドキドキする気持ちに浸りつつ、ユーゴの頭を優しく撫でた。

ジュエルの中でこの想いはもう恋だとわかっている。しかし、それをなかなか言えないのだ。ただユーゴの愛に溺れている。それが申し訳なく感じていた。
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