【短】いつかの……。
喧嘩して。
泣き出したきみを宥めて諭してキスをして。
何度も紡ぐ言葉はなんの意味も持たずに。


また、きみの中へ埋もれていくの・・・?


不器用さを隠して、自分に嘘をつくオレと。
不器用な心を隠し切れずに、オレに嘘をつくきみ。

「綺麗なだけじゃ・・・何も解決しないでしょ?」



溢れる想いは、止め処なく。
とても神聖なものへと形を変える。
だけど、汚れていると錯覚するほど・・・浅ましく醜い部分は紙一重。
そして、綺麗なものが好きなきみを苛んで、壊してく。


「二人の間にあるモノが・・・・・・嘘だなんて言わないで?」


足早に急ぐ帰り道。
ひらり、また、ひらりと・・・風に舞う枯葉たち。
揺らぐその様子に、自分の心を重ねて。
なんとも言えない気持ちが斑点のように胸に散らばる。

< 3 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop