【短】いつかの……。
じゃれ合いながら、きゅうっと掴んだ華奢な左の薬指に、キラリと光るリング。

それに、自分の指を重ねて、一呼吸置いた。


「友梨祢さん、どうかオレの奥さんになって下さい」


ちゅ


ゆっくりと繋いだ手を口元に持っていき、小さなキスを落とした。


すると、みるみる内に彼女の瞳に涙が浮かんで行く。


「…いや?」


ぶんぶんとその言葉に首を振って。


「嬉し過ぎるに、決まってるっ!」


と、抱き締められた。


「しつこいくらい、何度も言うよ。愛してる」

「私だって負けないんだから!」

「くすくす…愛してるよ?」

「私はその千倍愛してるもん」

< 7 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop