地味で根暗で残念ですが、直視できないくらいイケメンで高スペックな憧れの先輩に溺愛されそうなので……
私は、ひろき君と二人で留守番となり、二人でリビングでくつろいでいた。
「お姉ちゃんって、お兄ちゃんと仲良いの?」
ひろき君は、冬野さんが出てすぐ、私にそう尋ねて来た。
ひろき君が退屈しないよう様にテレビをつけて見たものの。
早朝の5時に7歳のひろき君が喜ぶ様な番組は、子供向けチャンネルを含め何もやっておらず意気消沈したところだった。
「え、仲が良いか、悪いかと言われたら、どうなんだろうね。お姉ちゃんね、冬野さんとは、前の会社で一緒だっただけだから」
「でも、お兄ちゃんの事好きだから、今も一緒にいるの?」
う~ん。
冬野さんの事は好きだけど、何の因果か一緒にいるだけで、目の前の7歳の男の子にそれを単刀直入に説明する言葉が見つからない。
「たまたまかな。お姉ちゃん、冬野さんと会うの3年ぶりなんだ」
「3年ずっと会わなかったの。3年って、僕が4歳の時から今までってことだよね」
おおっと、7歳の時系列に置き換える3年ってすさまじいな。
自分が生きて来たほぼ半分の月日に相当するって事だよね。
「長いでしょ? だからね、一緒じゃないんだ」
「そうなんだ」
ひろきくんは納得した様子で、あくびをして、うとうとし始めた。
冬野さんが牛乳買って戻ってくる前に、寝てしまうかも?と心配したが、間もなく冬野さんが戻って来て、私がホットミルクを作って冬野さんにはひろき君を任せた。
冬野さんは牛乳のほかにも、私とひろき君の分の歯ブラシを買って来てくれた。
というのも、買い出しに出かける冬野さんに、さすがにこれだけは欲しいと思って、私がリクエストしたものだったのだが、ひろき君の分も買って来てくれて、ホットミルクをひろき君に飲ませた後、私はひろき君と冬野さんと仲良く人で洗面所で歯を磨いて、リビングに戻った。
「一人で寝るの怖い」
「じゃぁ、お姉さんと一緒に寝る」
私はひろき君と一緒に客間で眠る事にして、冬野さんは自室で仮眠をとる事になった。
もう夜が白んで薄明るい部屋でひろき君と二人で、話をした。
今日はAQUAPALACE(アクアパレス)という水族館に行くのを楽しみにしていたけど、これじゃ行けそうにないと嘆いていた。
子どものころ、遠足で何度か行った事のある場所で、そこで観たイルカのショーやチンアナゴが可愛かった事を話していつの間にか私もひろき君も眠っていた。