不器用同士


猫被ってそうだと思ってたけど、こうも簡単に本性を表すだろうか。


ほとんど話したこともないようなクラスメイトに。



なにが目的なの?


疑いの目を向ける私と、笑顔で近づいてくる相楽くん。



「ちょっとこれから付き合ってくれない?時間ある?」



そう言っておきながら有無を言わさないような雰囲気。


すごくめんどくさいやつに捕まってしまったのでは…。


なんならさっきの方のおじさんの方が…いやそれはない。



気持ち悪いことを一瞬考えてしまい、すぐ消し去る。



相楽くんだってクラスメイトの女を無理やりするなんて趣味はないだろうし。


そんなことしなくても彼の周りにはたくさんの女の子がいる。


だからそういうことの心配はないけど、面倒ごとに巻き込まれそうな予感がしてしまう。

< 12 / 89 >

この作品をシェア

pagetop