不器用同士
新しい日常




「ここ?」



私は今、2人に連れられ高層マンションを見上げている。



「そう、ここが私たちのお家だよ!!」


「光莉ちゃーん、お口が空いてるけど?」


驚きを隠せず、しばらく口が半開きだったことを指摘してきたので恥ずかしくなって顔を伏せた。



流石にこのタワマンは驚くよ!



もしかして相楽くんは良いところのお坊ちゃん?


お坊ちゃんなんて似合わないけど…。


「失礼なこと考えてるでしょ?顔に出過ぎ」


やれやれと言いたげだけど、私はそんなつもりない。



顔に出やすいなんて思ったことないし、言われたこともない。


逆に無表情で何考えてるかわからないと何度か言われた。



「早く入ろうよ!」


子供の力は意外と強くて、グイグイと遠慮なく引っ張られる。

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