不器用同士


豪華なエントランスを抜け、エレベーターに乗ると相楽くんは迷いなく最上階を押した。


この高さのタワマンで最上階に住んでるって、どんだけ金持ちなんだ。


初めて知るクラスメイト相楽くんの一面。



今日まで、ここまで相楽くんと関わるなんて思いもしなかった。


だってそもそも関わりたくなかったし。


「お姉ちゃんって名前なんて言うの?私は相楽瑠璃です!5歳です!」


礼儀正しい瑠璃ちゃんが手を広げて5歳だと主張した。


そういえば名前を名乗らず会話してたな、なんて反省して瑠璃ちゃんと屈んで目線を合わせる。



「私は華宮光莉。相楽くんと同い年だよ」


今まで子供と話したことがないからどんな顔をすればいいかわからない。



ぎこちなく見える私を横目に相楽くんが笑ってきた。



…今日ずっと相楽くんに馬鹿にされてるのは気のせいじゃないよね。


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