不器用同士
靴を脱ぎ、部屋に上がると広い廊下が広がっていてとても静かな家だった。
靴も瑠璃ちゃんのと少しだけ男物のスニーカーが並べてあっただけで他には何も見当たらなかった。
「瑠璃ー、ちゃんと手洗ったか?」
「もう洗ったよーだ!お兄ちゃんほんとに一々うるさい!!」
口を尖らせる瑠璃ちゃんと困ったように笑う相楽くんがリビングに入った。
続いて入ると、テレビをつける瑠璃ちゃんと椅子に鞄を置く相楽の姿が。
「光莉ちゃんも手、洗っておいで」
なぜか子供扱いされたような気がして、ちょっと不服だった。
「どこで?」
「リビング出て、すぐ隣に洗面所あるから」
そう言う相楽くんは洗ったのか?と思いつつ口には出さなかった。
さっき瑠璃ちゃんが出てきたところを開けて、手を洗った。