不器用同士
リビングに戻ると、相楽くんが制服から私服に着替えていた。
上半身裸の相楽くんに少し目線を外した。
「きゃっ!とか反応しないわけ?」
つまんなーいと言う相楽くんに、そんな反応私ができると思う?と返しといた。
「ふ、たしかにね」
男免疫はついてないから、普通に気まずいけど。
「で、私はここで何をすればいいの?」
この家を見ると瑠璃ちゃんと遊ぶだけでは無さそう。
不自然なほど、親の影が見当たらない。
物音ひとつない家も数の少ない靴も、なにより不用心にお金だけ置いてあるテーブル。
そこには今週のお金とだけ書いてあった。
「あぁ、気づいた?」
私がテーブルのお金を見ていることに気づき、あくまで軽い話でもするように笑った。