不器用同士

テレビに夢中になってる瑠璃ちゃんを気遣うように見てからやっと私に話し出した。



「俺らの親がさー、良いように言うと放任主義でさ」


「……」


それは悪いように言えば育児放棄ということになる。


声には出さなかった。


そこまで空気を読めないわけじゃない。



「…そのくせ俺だけなにかと構ってくるんだよね。瑠璃のことなんて気にかけようとしないクソ親が」


低く、低く発さられた言葉を静かに聞いた。



相楽くんだけ、それはなんでか。


「後継者しか興味ないんだって。それで、俺が高校生のうちから少しずつ手伝いをさせられてる」


「手伝い、それはお父さんの会社の?」


「そう。俺一言も継ぐなんて言ってないんだけどね」



…子供の意思は関係ないのか。


その話を聞いて私はただ、ただ冷たいと思った。

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