不器用同士
それから簡単にこの家を案内してくれて、どれがどこにあるかまでちゃんと話してくれた。
ここにあるものならなんでも使って良いらしい。
流石に人の家の冷蔵庫から勝手に使うなんて、図々しいことできないと思ってたらそう言ってくれた。
「じゃあ行ってくるね。瑠璃、光莉ちゃんを困らせるなよ」
玄関に立つ相楽くんと見送る私と瑠璃ちゃん。
どこに行くかなんて聞かなかったけど、多分お父さんの手伝いに行くんだろうな。
「もう子供じゃないもん!」
ぷんぷん怒る瑠璃ちゃんにどこがだろうと思い、笑みが溢れた。
「あー!光莉お姉ちゃんが笑った!!」
え、バカにしたと思われた?
違うと否定しようとして、隣にいる瑠璃ちゃんを見ると。
「やっと笑ってくれたね!」
とても嬉しそうで、思ってた反応と違い言葉に詰まる。