不器用同士

「光莉お姉ちゃんに？」


首を傾げる瑠璃ちゃんの瞳にはキラキラと光る涙が溜まっていた。



「そう、お兄ちゃんにも話せない話や愚痴とか…なんでもいいよ」


「お兄ちゃんの悪口とかも？」


少し笑顔を取り戻した瑠璃ちゃんが言う。



「いいよ、私も相楽くんの悪口言っちゃうかもしれない」


「ふふ、お兄ちゃんてば光莉お姉ちゃんにも口うるさく言ったのかなー」


笑ってくれたことに安心して、瑠璃ちゃんの零れ落ちそうな目尻の涙を拭う。


「だから、私といる時は泣いてもいいよ」


お兄ちゃんに隠していた涙を見せて。


ここには今日会った私しかいないから。



「…うっ、……うぅ…わーん！！」


私が笑いかけるのを見た後、すぐに瑠璃ちゃんは泣き出した。



今まで溜めていた分を振り絞るかのように、たくさん泣いた。



泣き止むまでずっと抱きしめて頭を撫で続けた。