不器用同士
「落ち着いた?」
私がそう言うと、腕の中にいる瑠璃ちゃんは小さく頷いた。
泣きすぎたのか、少し目が赤くなっていた。
「ありがとう、光莉お姉ちゃん」
そう笑う瑠璃ちゃんはスッキリした顔をしていたと思う。
よかった、少しは本音を吐き出せたみたい。
小さな体に隠れている何年も前からの本音はそう簡単には全て出せないだろう。
だから、少しずつでいい。
「私はいつでも瑠璃ちゃんの話聞くからね」
「…ふふー、さては私のこと大好きだな?」
「うん、大好き」
そうストレートに想いを伝えられるのは相手が子供だからだろうか。
普段、そんな思いは恥ずかしくてなかなか素直に出せない。
「うん、私も大好き!!」
いや、瑠璃ちゃんの魅力のおかげで私も素直に言えるんだろう。