不器用同士


「お腹すいた?夜ご飯なに食べたい?」


窓の外を見るともう真っ暗になっていた。



2人で手を繋いで相楽くんの部屋を出る。



「えっと、ね……オムライスかなー」


恥ずかしそうに言った瑠璃ちゃんを見て思う。


この子は甘えることが苦手で我慢することを覚えてしまったんだな、と。



「わかった、すぐ作るから待っててね」


瑠璃ちゃんに笑いかけて、頭を撫でた。


リビングに入ってキッチンに向かう。



すみません、開けますと心の中で呟き冷蔵庫の中身を見た。


中には一通り食材が入ってた。



普段、料理ができない相楽くんは今までお手伝いさんに夜ご飯作りに来てもらってたみたいだ。



だからか冷蔵庫の中身が充実している。


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