不器用同士


手料理に期待しているのか、卵をとく手をじーっと見ている瑠璃ちゃん。



「不味かったら遠慮なく言ってね」


「大丈夫だよ、光莉お姉ちゃんの料理ならなんでも食べられる気がする!苦手なピーマンでも…多分!!」


瑠璃ちゃんピーマン苦手なんだ。


子供らしい好き嫌いを聞いて自然と顔が綻ぶ。



「じゃあまた今度ピーマン入れようかな」



「ま、待って待って!やっぱりピーマンは無しで!!」



慌てて話す瑠璃ちゃんが可愛くてまた吹き出してしまった。




今日会ったばかりの子にこんなに心を許してしまってることに驚く。


先に本音を見せてくれたからかな。



「…また来てくれるの?」


また今度という言葉に反応した瑠璃ちゃんが恐る恐る聞いてきた。


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