不器用同士


「なんで?」


普通になんで相楽くんと学校でもご飯を食べなきゃいけないんだ。


だって夜ご飯は瑠璃ちゃんがいるから一緒に食べてるだけであって。


学校でわざわざ関わる必要ないでしょ。



「んー、つまんないからかな」


だるそうに歩く相楽くんの歩くスピードは落ちていてゆっくりになっていく。



つまんない?



予想のつかなかった答えに何も言えない。


どういうことか疑問は絶えないのに、口に出すのを躊躇った。



「………私が相楽くんを楽しませたことあった?」



「そういうとこだよ」



顔だけ振り返りニヤリと笑ってみせる相楽くん。



いやどういうことだよと思いつつ、すぐ前を向いた相楽くんの背中を見つめる。


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