不器用同士


予想していた反応と違って驚いたのか、目を少し見開きニヤリと笑う。


「顔真っ赤。意外といろんな表情見せてくれるんだね」



余裕そうな顔がムカついて、更に顔が赤くなる。



うるさい、男免疫ないからこうなるだけだし。


そんなこと言ったら更に馬鹿にされるのが目に見えてるから言わないけど。



「…早く歩いて」


ただでさえ遅刻してるのに、ここでもたもたやってられない。



「はいはーい」



謎に満足そうな相楽くんが再び歩き出した。



もう校舎は見えていて、年中開けっ放しの門から堂々と入る。



この門、意味あるのかなと遅刻するたびに思う。



「あー、もう着いちゃった。もう少し光莉ちゃんとデートしたかったな」



「……教室入るの時間おいて別々に入らない?」



わざとらしく残念そうに言う相楽くんを無視して話を切り出す。

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