不器用同士


はぁ、なんとか信じてくれてよかった。



人伝に聞いただけだから信じてくれたのかな。


だって盗撮とかされてて写真に残っていたらこんなにあっさり信じてくれるわけない。


写真撮られてないと賭けて、なんとか言ってみてよかった。


「じゃあ、失礼します」


これ以上、ここにいる必要はないだろう。



「最後に一つ、翔琉に関わらないでよ。絶対ね」



脅すように低い声で言う先輩を見て、勿体無いなとぼんやり思った。


だって先輩は普通にしてたら綺麗だからこんな相楽くんに囚われている用じゃ、苦しいだけじゃない。


私に言われてもって感じだろうけど、ただ勿体ないと思った。



「私から関わることはないです」



これは絶対、こういった面倒ごとを避けるためにも。

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