不器用同士
すると、更に目を釣り上げて睨まれた。
私…何も刺激すること言ってないよね?
「翔琉から来ることはあるかもしれないって言いたいの?」
は?そんなつもりで言ったわけじゃない。
「いや、違いますから……痛っ!」
「さっきからその目、気に入らないのよ」
いきなり距離を詰め、両肩を掴んできた先輩の爪が食い込んで痛い。
手を離してもらおうと、動いた時。
「なに盛り上がってるの?」
私の後ろから朝聞いた声がした。
「あ、翔琉!?」
相楽くんが私の後ろから現れたことにより、勢いよく肩を離してくれた。
…美人がすごい形相で睨んで迫ってくるのって迫力あって怖かったんですけど。
地味に痛い肩に手を置いて、隣に立った相楽くんを見上げる。