クリスマスイブ、牛丼屋にて。



12月24日、クリスマスイブ。

キリストの誕生日、またはサンタのおじさんが良い子にしていた子ども達にプレゼントを配り歩く日。



まあ、わたし的にはこのイベントにかこつけて恋人とイチャイチャしたり、ちょっと奮発して家族で豪華な食事と甘いケーキを食べる日、なんて認識なんだけど。



……そんなちょっとした特別な日でも、この24時間年中無休の牛丼屋は、普段と変わらず営業している。


そして。


悲しいことに、特にこれといって予定のないわたしも、普段と変わらず出勤している。



「なあ、相沢。
本気でもうやることないんだけど。
あと30分、何すればいい?」

「…もうスプーンと箸でも磨いてれば」



せっかく暖房を効かせている店内だけど、お客さんはゼロ。

来たとしても仕事帰りの独り身そうな人が持ち帰り用の牛丼を買っていくくらい。


普段ならディナータイムの店内はバタバタ忙しいけれど、今日は自分が出勤してから15組も来てないんじゃないかな。



おかげで料理の仕込みも店内清掃も、穂高とやれるだけやり尽くしてしまった。



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