クリスマスイブ、牛丼屋にて。
「いいじゃん、そんなひがまなくても。
世の中が浮かれてる中で真面目に働いてんだから。
えらいよ、俺ら」
「……穂高は今日一日やる気皆無だったじゃん。
どこが真面目か」
「いーの。出勤してること自体がえらいの」
「あっそ」
ていうか、最初にわたしのことをかわいそうとか言ったの穂高じゃん。
なーにが、「ひがまなくても」だ。
中学生の時は、高校生になったら自然に彼氏ができて青春を謳歌できるものだと思っていた。
クリスマスだって恋人と過ごせるものだと。
漫画でそういう話、沢山読んだし。
でも実際はそうも行かなくて。
高校2年になっても彼氏できる気配ないし、クリスマスはバイトだし。
もちろん、友達とかは「彼氏がー」「クリスマスはー」とか楽しそうな子達もいるけれど、自分には程遠い話だなぁと思う。