年上幼なじみのあぶない溺愛
むしろ他人のフリを突き通さねばと思わされる。
「ほかにわからねぇ問題は?」
バカだと自覚していたつもりだったけれど、ここまでひどいとは……と思い、落ち込んでいた私に、また火神くんが声をかけてくれる。
「え……」
「曖昧なところとかでもいい。落ち込む時間があったら一問でも多く理解したほうが自分のためになんだろ」
「火神くん……あっ、でもそれだと火神くんの時間が」
「俺は帰ってからやる。宮下ほどバカじゃねぇから」
落ち込む私に気を遣って元気付けようとしてくれたのかも……と思った直後にまたバカ扱いされてしまう。
上げて落とすのが得意なようで、かなり振り回されている気がした。
それでも火神くんはわからない問題や曖昧な部分をひとつひとつ丁寧に教えてくれ、私自身理解を深めることができた。