年上幼なじみのあぶない溺愛
「俺は大丈夫だよ。ただ頻繁にスマホ見るわけじゃないから、返信が遅くなったらごめんね」
さらに春哉くんはまったく嫌がる素振りを見せず、笑顔で対応していた。
女の先輩は嬉しいそうに喜んでおり、胸が痛んでふたりから視線を外した。
「優しすぎるのも困りものよね」
「……へ」
「春哉、天然タラシで有名だから。ああいうところだよね、断らずに受け入れてばっかなんて」
ふと戸崎先輩に話しかけられ、パッと顔をあげる。
戸崎先輩の視線の先には私ではなく春哉くんがいたけれど、困ったように笑っていた。
その表情を見て、もしかして戸崎先輩と春哉くんは……と考えてしまう。
だって普通、なんとも思わない相手に今のような表情をするだろうか。