年上幼なじみのあぶない溺愛
「俺は食べてきたから大丈夫だよ、ありがとう」
「そ、そっか……」
よかった。春哉くんの態度はいつもと変わらず安心した。
お母さんの言葉を追求されたらどうしようかと焦っていたけれど、よく考えてみたらお母さんの言う“好き”の意味と、私の“好き”の意味は違うかもしれない。
私の“好き”には恋愛感情が含まれているけれど、お母さんは人として“好き”だという意味で言っていたのかもしれない。いや、そうに決まっている。
無理矢理自分に言い聞かせ、お母さんの作ってくれた朝ごはんを食べ始めた。
けれど……。
「……春哉くん」
「どうしたの?」
「あの、ですね……そんなに見られると食べづらいっていうか」
先ほどから春哉くんの視線が気になって仕方がない。
じっと見つめられ、正直食べづらかった。