年上幼なじみのあぶない溺愛
それなのに誰かに起こされる声がして、ゆっくりと目を開ける。
アラームを消した覚えがないため、鳴る前にお母さんが起こしに来たのだろうか。
私だってもう中学生じゃないのに。
ひとりで起きられるに決まっている。
「お母さん……?まだ起きる時間じゃないよ……」
時間の許す限り、寝ていたい。
寝る時間が遅くなったせいか、頭がうまくまわらずに睡眠を欲していた。
「起きる時間だよ、志羽。初日から遅刻して目立ちたいの?」
柔らかな口調の心落ち着く優しい声に、眠気を誘われる。
この声はお母さんじゃないと、ようやく理解した。