年上幼なじみのあぶない溺愛

　あれ以上春哉くんといたら、壊れてしまいそうな気がして。

　気持ちが溢れてしまって、春哉くんとの関係が終わってしまいそうな気がして。


「……どうして、あんなこと」

　思い出すのは先ほどのこと。
　優しいけれど、どこかいやらしい手つきに、いろいろな場所に落とされたキス。

　それから……唇にされたキスだって。
　春哉くんはわからないけれど、私は初めてだったのに。


　まるで私を黙らせるように、言葉を遮るようにされたキスに、それが目的のキスだったのかと考えてしまう。

　そう、春哉くんには特別な意味なんてないキスだったのだとしたら……。


「……春哉くんのバカ」

　こんなにも感情を乱されている私のほうがバカみたいだ。

　それなのに、心のどこかで期待してしまっている自分がいて。


　一番バカなのは私だと思い、今日のことは夢であってほしいと願うほかなかった。