年上幼なじみのあぶない溺愛
9.関係性の変化
あの日以来、私は春哉くんを避ける生活を続けていた。
けれど、避ける生活がいつまでも続くはずがなく。
「志羽、いつまで寝ているの?」
柔らかな声に引かれるようにして、ゆっくりと夢から覚める。
ただ、眠気で頭がぼーっとし、状況の理解に遅れていた。
「ん……」
「志羽、今日は体育祭だよ」
「……うん、知ってる」
「知っているなら尚更起きようね。俺たちクラスの代表者はみんなより早く集合するんだよ」
体育祭、クラスの代表者は早く集合……。
柔らかな声で発せられる言葉を何度も頭の中で繰り返すけれど、なかなか理解に追いつかない。