年上幼なじみのあぶない溺愛



 その視線を追うように私も振り返ると、そこには複数の用具を手にしており、こちらに向かってくる春哉くんの姿があった。


 けれど女の先輩の姿が見当たらず、不思議に思った。

 積極的に春哉くんに話しかけていたため、きっと一緒に戻ってくるだろうと思っていた。


「ごめんね、遅くなって」

 春哉くんは申し訳なさそうにして私たちのもとへと戻ってきたけれど、女の先輩には一切触れなかった。

 それを見た沙良先輩が『もうひとりの子はどうしたの?』と尋ねていた。


「もうすぐ来ると思うよ。ほら、来たね」

 春哉くんが来た道を見るように振り返り、私たちも同じほうへ振り返ると、確かに女の先輩の姿があった。

< 251 / 380 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop