年上幼なじみのあぶない溺愛
同じように用具を持ってきていたけれど、その表情は先ほどのような明るさを失っているような気がする。
どうしたのだろうと思っていると、女の先輩と目が合ってしまった。
咄嗟に逸らそうとしたときだった。
なぜか私より先に視線を外されてしまう。
それもなんだか、怯えているような……。
「春哉、あんたなにしたの」
「なにもしていないよ?ただ注意しただけかな」
「注意って、ぜったい脅しでしょ。あの子かわいそう……」
「脅しって人聞きの悪いことを言うね」
「事実でしょ」
「事実じゃないよ。そんな悪いことをした覚えはないなぁ」
ふたりがテンポよく会話していたけれど、なにのことを話しているのかは正直わからなかった。