年上幼なじみのあぶない溺愛
やってしまった。いくら幼なじみや春哉くんの話を逸らそうとして、他の男の人の名前を出してしまっては……。
「うっそ!志羽、霧谷先輩のような男の人がタイプなんだね!?」
ほら、やっぱり望美ちゃんに勘違いされてしまった。
春哉先輩に向けていた目の輝きを、今度は私へと向けられている。
「いや、その……」
「男慣れしていない志羽のことだから、春哉先輩のほうがいいと思ってたけど、意外と軽めの人がいいんだ!」
「軽……?え、でも霧谷先輩って彼女がいて」
「あ、それはもちろん一途だって聞いているよ?だけど、女子とも距離が近いタイプでしょ?誰にでもがっつくタイプっていうか……まあ、違う意味で軽いってこと!」
「うん……?」
あまり意味が伝わらなかったけれど、曖昧に頷いておく。