年上幼なじみのあぶない溺愛



 さっきだって倉庫で迫られ、キスは未遂だったけれど直前までふたりの距離は縮まっていた。


 もしあのまま、誰も来なければ……学校で、私と春哉くんはキスしていたのだろうか。

 そう考えると顔が熱くなり、咄嗟に俯いた。


「志羽、そんなに落ち込まないでいいんだよ。こんな可愛い志羽のこと、幼なじみが黙ってるわけないじゃない」


 そんな私を見て落ち込んでいると判断したのか、励ましの言葉をかけてくれる望美ちゃん。

 いつもは明るく騒いでいる望美ちゃんは、友達想いの優しい人である。


 私も真似したいなと思うけれど、自分のことでいっぱいの私が果たして周りに気を遣えるだろうかと不安になった。

 この時点ですでに美人で優しい望美ちゃんとの差がついてしまっている。

< 261 / 380 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop