年上幼なじみのあぶない溺愛



 今度こそ本気で落ち込みそうになっていると、望美ちゃんが明るい声を出した。


「ほら、暗い顔しない!じゃあ今日の目標は春哉先輩と霧谷先輩に写真を撮ってもらうことだね!今日くらい好きな人のことを忘れて、イケメンに心を落ち着かせてもらおう!」

「え、私は大丈……」
「ダメ!志羽も強制です!」


 春哉くんから話を逸らしたつもりが、さらに悪化してしまった気がする。

 けれど、春哉くんも霧谷先輩も体育祭当日で忙しいだろうし、きっと写真なんか撮ってもらう暇なんてないだろうと思い、なにも対策を練らなかったのが間違いだった。

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