年上幼なじみのあぶない溺愛
「あっ、同じ団の子が待っているから俺は行くね」
「えっ……!あの、連絡先は……」
「今スマホを持っていないから、連絡先を交換できないんだ。ごめんね」
ひとり落ち込んで俯いていると、珍しく春哉くんの断りの言葉が聞こえてきてふたたひ顔を上げる。
すると春哉くんが私と望美ちゃんに視線を移し、こちらに近づいているところだった。
もしかして私を優先してくれて……と一瞬期待してしまったけれど、望美ちゃんのためかもしれないと自分に言い聞かせ、変に期待するのはやめた。
「宮下さんたち、どうしたの?なにかあった?」
ほら。やっぱり。春哉くんは同じ団の私たちになにかあったのかと心配して、こちらに来てくれたようだ。