年上幼なじみのあぶない溺愛
「……はい」
春哉くん、ではなく。望美ちゃんに負けてしまい、折れた私は少し春哉くんに近づいた……ときだった。
私の肩に春哉くんの腕をまわされ、強引に引き寄せられてしまう。
途端に望美ちゃんや周りからおどろきや悲鳴に近い声が聞こえ、騒がしくなる。
「しゅ、春哉く……」
「俺を避けようとする志羽が悪いんだよ?」
人前のためか、優しい笑みは変わらなかったけれど、いじわるな春哉くんがそこにはいた。
こんなこと……人前で。
恥ずかしさのあまり、顔が熱くなる。
早くこの状況から抜け出そうと思ったけれど、ふたたび春哉くんに声をかけられる。