年上幼なじみのあぶない溺愛
「……ちょ、なにいまの!?」
望美ちゃんは先ほどの春哉くんを見ておどろいていたけれど、今度は興奮した様子で私の両肩に勢いよく手を置いてきた。
「やばくない!?すっごくかっこよかったんだけど!あんな堂々と志羽の肩を抱いて……」
「……っ」
望美ちゃんに先ほどの出来事を口にされ、さらに恥ずかしくなる。
春哉くんはどうしてあんなこと……本当にひどい。他人のフリとは言っていたけれど、目立つようなことをするのもダメである。
「いいなぁ、私も同じことされたかった!でも霧谷先輩派の志羽も、これにはさすがに照れてるね」
霧谷先輩派、と望美ちゃんに勘違いさせてしまっているけれど、これ以上話を混乱させないためにも、なにも言わないでおく。
春哉くんが好きだから、こんなにも胸がドキドキするのだけれど……。
しばらくの間、胸の高鳴りがおさまることはなく、落ち着くまで時間を要した。